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第41回平和教育実践交流集会を開催しました!

2018.09.18

第41回平和教育実践交流集会をたつの市で開催し、86人が参加しました。

開会行事に引き続き、平和教育部会研究所員を中心に昨年11月に発刊した「『平和教育実践ガイド』を活用した平和学習のとりくみ」について実践の提案がありました。実践ガイドでは、戦争体験を風化させないために、子どもたちを過去の戦争へとつなぎ、戦争に対する当事者意識を育てる授業展開例が数多く掲載されています。また部会では、知識や価値観を一方的に教え込むのではなく、子どもたちが自ら考え判断したり、感じていることを自由に討論したり表現したりできる学習が大切であることを提起しています。研究所員からは、子どもたちが分かりやすいように絵本や写真などを教材とした授業実践の紹介がありました。

参加者からは、「研究所員の方々の実践提案を聞いて、平和教育の新たな切り口を知ることができて大変勉強になった。早速、実践しようと思う」といった感想が寄せられました。

午後は、揖龍の小・中学校・青年部のとりくみとして、「地域と連携した平和教育」「校外学習や修学旅行での平和教育」「平和教育の推進にむけて」の実践報告がありました。その後、報告を受け、12のグループに分かれて各地域組合や分会のとりくみの交流をおこないました。地域によって修学旅行の行き先や平和教育部会の有無などにちがいがあるなど、課題があるなかでそれぞれのとりくみが交流され、平和教育をどのように広げていくのか熱心に討議されました。

参加者からは、「グループ討議から、物事を一面的に見るのではなく、多面的に見る考え方をいつももっておく必要がある」「平和の最大の敵は『無関心』、戦争の最大の味方も『無関心』という言葉が大変印象的であった」「職場で語り合い、若い教職員とともに学びを深めていきたい」といった感想が寄せられました。

今回の集会をひとつの契機として、「戦争をなくせば平和」という平和観にとどまらず、地球規模の問題ととらえて平和・人権・環境・共生にむけた教育を地域や保護者と手をたずさえてすすめていく必要があります。またその実現のために、「子どもたちにとってゆたかな学びとは何か」を追究していかなければなりません。

今後、県内各地域組合・分会で、『平和教育実践ガイド』を活用し、それぞれの地域・子どもの実態に応じて、戦争体験の継承、地域素材の掘り起こしとその教材化を推進し、兵庫における平和教育をいっそう深化・発展させていきましょう。

第45回教育課程編成講座を開催しました!

2018.09.03

「わかる授業・たのしい学校」の実現をめざした、教育課程の編成と創造的な教育研究活動を組織的にすすめるために、第45回教育課程編成講座を開催し、2日間で676人の参加がありました。

前期の講演会では、加賀田哲也さん(外国語教育部会協力研究所員)が「次期学習指導要領での小・中の外国語教育の充実に向けて」と題して講演をおこないました。 加賀田さんからは、授業で心がけていきたいことを中心に、外国語教育を通じて、豊かな人権文化を育み、民主的で平和な多言語・多文化社会を構築するために今後どのようなとりくみをすすめていくべきか、わかりやすくお話いただきました。

参加者からは、「外国語教育と人権教育のつながりを再確認した。人権教育はどの教科にも通じることで教員として常に人権感覚を磨いていきたい」「今まで聞いた英語教育関係の講演の中で一番印象的であった。All Englishで授業といった子ども中心ではない話をいつも聞かされていたが、全く違う視点からの話で学ぶことが多かった」などの感想がありました。

後期の講演会では、諏訪清二さん(防災教育部会協力研究所員)と大谷誠さん(震災・学校支援チームEARTH員)が「熊本での活動から今後の兵庫の防災教育を考える」と題して講演をおこないました。諏訪さんと大谷さんからは、兵庫における防災教育の充実と伝承に努めていくうえで、東日本大震災や熊本地震などの支援活動から今後兵庫の防災・減災教育にどのようにとりくんでいけばよいのかなどについて、わかりやすくお話いただきました。

参加者からは、「心のケアと一体となった防災教育の重要性について再確認できた」「避難訓練がマンネリ化しており悩んでいたが、現実をシュミレートした効果的な避難訓練の方法について考えることができた」「兵庫の教職員として忘れかけていた防災教育の大切さを改めて実感することができた」などの感想がありました。

午後からは、前期が教科系の10分科会、後期が課題別の9分科会にわかれて、分科会が開催されました。協力研究所員や研究所員を中心に、全国教研の還流や、授業で役立つワークショップなどの講座、実技などが企画され、参加者は積極的に活動に参加し、熱心な討議や地域組合間交流をおこないました。

今後、「ゆたかな学び」を具現化するための教育課程の創造的編成にとりくむとともに、「子どもを中心にすえた学校づくり」の原点に立ち返り、生きる力をはぐくむ自立と連帯・共生の教育のさらなる深化をめざしてとりくんでいく必要があります。編成講座での学びを生かした実践をすすめ、今秋の第68次兵庫県教育研究集会においてさらに討議を深めていきます。

『ひょうご2017 こどもの詩と絵 第38集』表彰式・発刊集会開催

2018.05.02

『ひょうご2017 こどもの詩と絵 第38集』の表彰式・発刊集会を、2018年3月4日(日)に開催し、県内各地より約 800人の子どもたちや保護者の方に来ていただきました。

ピアノやトランペットの演奏を聴いたり、みんなで歌ったりという、ミニコンサートをおこないました。その後、「詩」と「絵」それぞれ学年の代表者として表彰状を受け取る子どもたち、「詩」の朗読をする子どもたち、「絵」の紹介をする子どもたちが舞台に上がり、晴れ晴れとした顔を見せてくれました。

今年度は、県内各地の教職員の協力により「詩」502点、「絵」1,697点の作品が集まりました。子どもたち自身がそれぞれの生活を見つめた作品、自然の美しさに感動して表現した作品、おとなが気づかないような発想の作品、心の葛藤を表現した作品等があり、その作品一つひとつに子どもたちの感性があふれています。それぞれ8人の選者の方々に、「絵」と「詩」の選考をお願いしました。多くの作品の中から、「詩」114点と「絵」200点が選ばれ、第38集に掲載されています。

兵庫県教職員組合は、多くの教職員からの「協賛金」に支えられ、「就学援助事業」、「東日本大震災・熊本地震に伴う被災地からの転入児童・生徒への就学支援」等の教育文化・社会貢献事業をおこなっています。その一つとして、『ひょうご こどもの詩と絵』の表彰式・発刊集会はおこなわれています。1979年の国際児童年を機に創刊され、今回は通巻第38集になりました。

作品が掲載されている子どもたちには、『こどもの詩と絵 第38集』を贈呈しています。子どもたちの感性を大切にしたこのとりくみを、今後も続けていきたいと考えています。

ひょうご教育フェスティバル(第67次兵庫県教育研究集会)開催

2017.11.20

11月11日(土)~12日(日)の2日間、西宮市において「ひょうご教育フェスティバル(第67次兵庫県教育研究集会)」を開催し、延べ約5,000人(うち、保護者・地域の方・子ども等は約1,100人)の参加を得ました。本集会は、「開かれた教研」として13年目となります。 

全体会は、西宮市立浜脇中学校音楽部による美しい演奏・歌声とともに始まりました。記念講演は、本田由紀さん(東京大学大学院教授)をお招きし、「日本の教育の課題-選別と教化の圧力に抗して-」と題してお話いただきました。子どもたちをとりまく社会の変容と教育が抱える課題、それに対して学校・教職員がどのようにとりくんでいけばよいのか提起がありました。 

分科会は、第1分野「子どもを中心にすえた 楽しい学校づくり」、第2分野「地域と手をたずさえて 子ども・保護者の願う教育改革」と特別分科会「生きる力を育む教育」の24分科会で構成し、分会から地域教研へと積み上げてきた教研活動の実践を交流しました。今次教研には、保護者・地域の方のリポート48本を含め、総計387本のリポートが提出されました。 

子ども体験・ステージ発表は、両日の昼休みの時間に開催しました。阪神地区の子どもたちにより、「楽しいなわとびデモ」「民族舞踊」「和太鼓演奏」が発表されました。展示・体験コーナーでは、地域の方々の協力を得て、「シェルストラップづくり」「自然工作・自然遊び」「世界の遊び」「人と自然の博物館展」など特色あるコーナーを多数開設しました。また、「親子料理教室」「スタンプラリー」も実施し、多くの子ども・保護者の参加がありました。子どもの笑い声が響く、「地域に開かれた教研集会」を実現できたのではないかと思います。

私たちは今後も、創造的な教育研究活動の定着・発展と、保護者・県民の信頼に応える教育力量の向上をめざして、「いきる つながる みちひらく ~自立と連帯・共生の学びと教育~」をメインテーマに教育研究活動をすすめていきます。 
地元西宮市の関係者の方々、後援団体のみなさんをはじめ、多くの方々にご協力をいただいたことに心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

2017女性部サマーワークショップ【全大会】

2017.08.31

7月27日、「性にとらわれず自分らしく生きる~あたりまえって何だろう~」をテーマに女性部サマーワークショップをラッセホールで開催し、146人の参加がありました。

【講座Ⅰ】
弁護士の仲岡しゅんさんを講師に招き、「セクシュアル・マイノリティと人権~差別の所在と実体験から~」と題した講演をおこないました。教職員として「セクシュアル・マイノリティ」について知ることの大切さを学ぶとともに、保護者として、一人の人間として今後どのように生きていくのかをしっかりと考える機会となりました。

○参加者のアンケートより

  • LGBTとセクシュアル・マイノリティの違いなど、曖昧になっていた点をしっかりと教えていただいた。
  • 他人事ではなく、身内や自分の事として考えていくことが大切だと思った。
  • 自分の中に差別する心があることを認識し、きちんとむきあい考えてみようと思った。
  • 多様な性があることを教職員が学び、子どもたちにむきあいたいと思った。

【講座Ⅱ】
兵庫教育文化研究所・ジェンダー平等教育部会から、「性の多様性を尊重する学校づくり」をテーマに授業実践の提案などをおこないました。セクシュアル・マイノリティについて、さまざまなデータなどをもとにした学校現場での事例を寸劇にした問題提起を受け、参加者同士が意見交流した後、課題についての解説がありました。小学校・中学校での授業実践の紹介もあり、教職員の人権意識の大切さについて考える機会になりました。

○参加者のアンケートより

  • 教員の何気ない一言で子どもの心が傷つけられていることが心に残り研修の大切さを痛感した。
  • 話し合いの場があり、他の方の意見が聞けて勉強になった。
  • 制服やトイレなど具体的に学校として出来ることを考えられた。

2017女性部サマーワークショップ【分科会】

2017.08.31

【講座Ⅲ】
「働き方改革」をとして3つの分科会をおこないました。
それぞれ参加者同士が交流しながら、ワーク・ライフ・バランスや職場での人間関係を見直し、自分自身の生き方を振り返る新鮮な気づきのある時間になりました。参加者の働き方改革へつながるワークになりました。

第1分科会では澤田真由美さん(ひょうご仕事と生活センターの外部相談員)を迎え、「本来の仕事に時間を使うために~教職員のためのワーク・ライフ・バランス~」をテーマにワークショップをおこないました。

○参加者のアンケートより

  • 自分の仕事のやり方が全く違ってくるように思った
  • 働き方を精選し、個々のレベルアップをしていきたい
  • 私自身の意識を変えていかなければと強く感じた

第2分科会では金香百合さん(兵庫県立男女共同参画センター登録講師)を迎え、「自分らしく生きるために~固定概念にとらわれず人生をデザインしよう~」をテーマにワークショップをおこないました。

○参加者のアンケートより

  • 自分の生き方を見直し、エネルギーをもらった
  • 自尊感情・エンパワーなど人生において大切なことを収穫できた
  • 職場で活かそうと思った

第3分科会では掛水須美枝さん(前兵庫県会議員)を講師に迎え、「自分らしく働き続けるために~運動と権利~」をテーマにワークショップをおこないました。

○参加者のアンケートより

  • 周りを孤立させないで協力していくことを学ばせてもらった
  • 一生懸命やろうという気持ちになり、パワーをいただいた
  • 権利を勝ち取ってこられたこと、継続することの大切さ、改めて感じました。次への力になりました

全体を通して、「充実した内容でとてもよかった」「女性だけでなく、すべての教職員に必要なとりくみだと思った」という感想がありました。ジェンダー平等社会をつくっていくためには、多様性を認め合うこと、働き方を見直すこととともに、意思決定の場に女性が参画していくことが不可欠です。誰もが働きやすい職場づくりのため、今後もとりくんでいきます。

2017ヒロシマ・フィールドワーク 開催

2017.08.28

8月、特別事業として「ヒロシマ・フィールドワーク」を実施し、県内各地より41人の参加を得て、広島を訪れました。この事業は、平和憲法が脅かされ、近隣諸国との政治的緊張が高まっている今こそ、平和教育のさらなる深化と充実をはかっていこうと企画されたものです。

訪問内容は平和教育部会研究所員が議論・検討し、被害と加害の地を訪問して平和教育を多面的にとらえる機会とすること、高齢化がすすむ被爆者・戦争体験者の証言を実際に聴く貴重な機会とすること等を主な目的として実施しました。

1日目は、主に大久野島のフィールドワーク(以下、FW)をおこないました。訪問前のバス車内から、研究所員が用意した資料やビデオでの解説があり、戦時中に毒ガスを製造していたことを初めて知る参加者にとってよい事前学習となりました。また、FWの前に、戦時中に学徒動員により大久野島で働いていた岡田黎子さんから、当時の様子についてお話していただいたことも、その後の学びをより深いものとする貴重な経験でした。

大久野島では、平和教育部会協力研究所員の山内静代さん(広島平和教育研究所)らから詳細な解説を受けながら、島内の各遺跡を見学しました。原爆を投下された被害の地としてだけでなく、加害の地でもあったことを実感することができました。

2日目は、広島市内のFWをおこないました。修学旅行でよく訪れるのは平和記念公園ですが、その周辺にある被爆跡を中心に、山内さん、濱野梢さん(広島平和教育研究所)の解説を聞きながら訪問しました。また、原爆養護ホーム・舟入むつみ園では、被爆体験者のみなさんから当時の様子について証言をうかがい、貴重な経験の継承者として改めて責任を強く感じました。

参加者からは、「単に過去の話、広島の話と他人事で終わらせず、今の自分と結びつけて戦争や平和について子どもたちが考えることができるようにしないといけないと強く感じた」「戦争があれば人々は大きな被害を受ける。しかし、何も知らずに行動すれば加害者にもなり得る。このことを忘れずに伝えたい」「聞かせていただいたお話は、平和学習や日々の授業の中で子どもたちにも伝えたいと思いましたし、教員どうしの語りの中でも伝えていきたいと思いました」などの感想がありました。

過密な日程でしたが、その分学ぶところが多かったと参加者が話されていました。今回の経験を、県内各地域組合でより多くの方に語り継ぎ、平和教育の深化と充実につなげていきましょうと確認して、全日程を終えました。

第40回兵教組平和教育実践交流集会

2017.08.24

各学校においておこなわれている平和教育の実践に学び、とりくみを継承し、発展させていくために、第40回平和教育実践交流集会が明石市で開催され、66人が参加しました。

開会行事に引き続き、「1.19明石大空襲を語り継ぐ」と題してあかし教育研究所の運営委員から講話をお聞きし、その後、明石の小・中学校のとりくみとして「平和学習でめざすもの」「平和の願いを歌声にのせて」の実践報告がありました。

 参加者からは、「戦時中のことを語ることができる人が少なくなってきているなかで、私たち今を生きる人間が、正しい歴史認識のもとに真実の戦争史を次世代に語り継いでいくことが大切だと感じた」「演劇を通して全校生に自分たちの思いを伝えようという発想に感心させられた」という感想が寄せられました。

 午後は、平和教育部会の研究所員から「明石空襲と学徒勤労動員の記憶を追体験する」「地域に残る戦跡等から戦争を考える」というテーマで実践の提案がありました。その後、8つのグループに分かれて各地域のとりくみの交流をおこないました。地域によって修学旅行の行き先や、平和教育の部会の有無にちがいがあるなど課題があるなかで、それぞれのとりくみが交流され、平和教育をどのように広げていくのか熱心に討議されました。

 集会終了後は、明石公園内にある「明石空襲の碑」を訪れ、現存する資料や当時の証言をもとに、これまでのとりくみを語り継ぎ未来へつないでいこうとする明石の平和教育の思いを共有しました。

 参加者からは、「ヒロシマも大切だが、もっと自分たちの住む地域のことを学ぶ必要を感じた」「子どもたちにとって心にひびき、おとなになっても心の中に残っている平和教育学習をどう計画していくかが大きな課題だと感じた。先輩の教職員から学び、多面的に学習していきたい」「こうして夏の1日を平和について考える日とすることは日本人としてとても大切なことではないか」と感想が寄せられました。

 今回の集会をひとつの契機として、「戦争をなくせば平和」という平和観にとどまらず、地球規模の問題ととらえて平和・人権・環境・共生にむけた教育をすすめる必要があります。またその実現のために「ゆたかな学び」を追求していかなければなりません。

 平和教育部会では、知識や価値観を一方的に教え込むのではなく、子どもたちが自ら考え判断したり、感じていることを教室で自由に討論したり表現したりできる学習が大切であることを提起しています。また、今日的課題から教職員が必要だと考えている内容をいかに扱うのか、その方法を工夫し、実践し広げていく必要があると考え、『平和教育実践ガイド』を11月に発刊する準備をすすめています。

 県内各地域組合・分会で、それぞれの地域・子どもの実態に応じて、戦争体験の継承、地域素材の掘り起こしとその教材化を推進し、兵庫における平和教育をいっそう深化・発展させていきましょう。

第44回教育課程編成講座

2017.08.24

「わかる授業・たのしい学校」の実現をめざした、教育課程の編成と創造的な教育研究活動を組織的にすすめるために、第44回教育課程編成講座が開催されました。台風接近による悪天候により、残念ながら予定されていた前期講座(課題別)が中止となりましたが、後期講座(教科系)に329人が参加しました。

後期の講演会では、畑中 通夫さん(施設で生活する子どもたち支援研究会 共同研究者)が「『施設で生活する子どもたち支援研究会』10年のあゆみと今後の課題」と題して講演をおこないました。畑中さんからは、支援研究会10年のとりくみであきらかになった学校の課題をまとめていただくと同時に、児童養護施設の小規模化・地域分散化といった現在の施策などの状況や、関係機関と連携しながらすすめていく手だてなど、「家族を頼れない子どもたち」への支援のために、今後どのようなとりくみをすすめていくべきか、わかりやすくお話いただきました。

参加者からは、「地域や学校が連携して、自立した子どもを育てていけるようにいろいろな方面への働きかけが必要だと感じた」「おとなの都合で施設に入らざるを得ない子のほうが多いのに、なかなか地域全体で子どもたちのことを考えられないのは問題だと思う」「結婚式の話を聞き、改めて子どもにとって心の支えとなる場所の存在の大切さを感じた」などの感想がありました。

午後からは、教科系の10分科会にわかれて分科会が開催されました。協力研究所員や研究所員が中心に、全国教研の還流や、授業で役立つワークショップなどの講座、実技などが企画され、参加者は積極的に活動に参加し、熱心な討議や地域間交流をおこないました。

次期学習指導要領が告示され、今後学校現場では移行期の教育課程をどのように編成していくのかについて議論がなされます。私たちは引き続き、「ゆたかな学び」を具現化するための教育課程の創造的編成にとりくむとともに、体験を通して、ゆたかな人間性や社会性をはぐくみ、「生きる力」を身につける等、子どもが主体となる創意工夫をこらした教育実践の推進をはかっていく必要があります。編成講座での学びを生かした実践をすすめ、今秋の第67次兵庫県教育研究集会においてさらに討議を深めます。

勤務時間の適正化にむけて②

2017.03.30

連合総研は、2016年12月に『とりもどせ!教職員の「生活時間」~日本における教職員の
働き方・労働時間の実態に関する研究委員会報告書』(以下、『報告』)を発表しました。
※参考資料「緊急政策提言」~「教職員の働き方と労働時間の実態に関する調査」結果から~

連合総研の『報告』を受けて、日教組は「教職員の過重労働や超過勤務を解消するための15の緊急提言」をまとめ、2月27日に記者会見をおこないました。

兵庫県では、全国に先駆けて「勤務時間の適正化」にとりくみ、学校や地域で差はあるものの、定時退勤日やノー部活デー、業務の削減がすすめられてきました。兵庫県教育委員会『教職員の勤務時間適正化新対策プラン』の重点的なとりくみのひとつであった「児童・生徒と向き合う時間の確保」は、わずかながら成果が出ています。
しかし、「超過勤務の縮減」は全くできておらず、増加している学校が多数あります。増え続ける教育内容に対応するため、削減分を上回る業務があり、超過勤務が常態化しています。
「勤務時間の適正化」を実現するため、国の教職員定数改善、支援スタッフの配置拡充、教育政策の見直しなど、抜本的な改善が不可欠です。連合総研の『報告』、日教組「緊急政策提言」をもとに、保護者・地域住民・働く仲間の皆さんとの社会的対話を広げ、教職員定数改善を地域の声として、もとめていきましょう。
子どもたちがいきいきと学ぶことのできる学校であるために、教職員が働きやすい職場、やりがいのある職場づくりにとりくみましょう。

※連合総研(連合総合生活開発研究所)
働く者のシンクタンクとして1987年12月1日発足。勤労者とその家族の生活の向上、経済の健全な発展と雇用の安定に大きく寄与することを目的に、内外の経済・社会・産業・労働問題など、幅広い調査・研究活動をすすめています。

 

『ひょうご2016 こどもの詩と絵 第37集』表彰式・発刊集会開催

2017.03.28

『ひょうご2016 こどもの詩と絵 第37集』の表彰式・発刊集会を、2017年3月5日(日)に開催しました。当日、県内各地より約850人の子どもたちや保護者の方に来ていただきました。ピアノやトランペットの演奏を聴いたり、みんなで歌ったりという、ミニコンサートをおこないました。その後、「詩」と「絵」それぞれ学年の代表者として表彰状を受け取る子どもたち、「詩」の朗読をする子どもたち、「絵」の説明をする子どもたちが舞台に上がり、晴れ晴れとした顔を見せてくれました。

 兵庫県教職員組合は、多くの教職員からの「協賛金」に支えられ、「就学援助事業」、「東日本大震災・熊本地震に伴う被災地からの転入児童・生徒への就学支援」等の教育文化・社会貢献事業をおこなっています。その一つとして、『ひょうご こどもの詩と絵』の表彰式・発刊集会はおこなわれています。1979年の国際児童年を機に創刊され、今回で通巻第37集になりました。

 今年度は、県内各地の教職員の協力により「詩」640点、「絵」2,010点の作品が集まりました。子どもたち自身がそれぞれの生活をみつめた作品、自然の美しさに感動して表現した作品、おとなが気付かないような発想の作品、心の葛藤を表現した作品等がありました。その作品一つひとつには、子どもたちの感性があふれています。それぞれ7人の選者の方々に、「絵」と「詩」の選考をお願いしました。多くの作品の中から、「詩」130点と「絵」245点が選ばれて、第37集に掲載されています。

 作品が掲載されている子どもたちには、『こどもの詩と絵 第37集』を贈呈しています。子どもたちの感性を大切にしたこのとりくみを、今後も続けていきたいと考えています。

2016年度 社会貢献事業 車椅子・福祉自動車・児童養護施設支援 寄贈式

2017.02.22

兵教組は、多くの方々からの「協賛金」に支えられ、子どもたちへの就学支援や教育文化・社会貢献事業をおこなっています。今年度も、(一財)兵庫県学校厚生会、(一財)兵庫県教育会館、(公財)日本教育公務員弘済会兵庫支部に共催いただき、2月19日(日)、ラッセホールにて「車椅子支援事業」「福祉自動車等支援事業」「児童養護施設等への支援事業」寄贈式をおこないました。

寄贈式では、車椅子1台、福祉自動車2台を寄贈しました。また、児童養護施設等への支援事業では2施設に支援をおこないました。

参加者交流では、分会代表、施設代表の方から、協賛金賛同者・共催団体への感謝の言葉や施設の状況の報告などがありました。

福祉自動車の寄贈を受けた施設代表は、これまで保護者に頼っていた利用者の施設への送迎を実施できること、送迎車の不足で入所を断っていた方も受け入れ可能になることなど、福祉自動車の活用方法について喜びの言葉とともに話されました。また、児童養護施設の代表からは、施設でくらす子どもたちの様子や課題をお聞かせいただくとともに、30を超える県内の施設に対する支援への要望も受けました。

この事業を通じて、県内の障害者施設、障害児教育、児童養護施設に携わっている人々との連帯・交流を深めることができました。

障害者差別解消法の趣旨を生かし、「ともに生き、ともに学ぶ」社会、「障害者の自立」をめざして、これらの支援事業が、みなさんの生活に少しでも役立てられることを願っています。
※寄贈式の様子は、組合員専用ページに動画を掲載しています。

今後も、この事業の趣旨およびこれまでの経緯を踏まえ、兵教組の教育文化・社会貢献事業の充実と発展をめざします。引き続き皆様のご協力をお願いいたします。

勤務時間の適正化にむけて…

2017.02.09

組合員専用ページ「勤務時間の適正化にむけて」において、動画「あなたの職場では、ルールが守られていますか?~ワーク・ライフバランスのとれた職場を作るために~」や、参考となる全国教研リポート等を公開しました。
※ID・パスワードは、各支部にお問い合わせください。

第40回母と女性教職員の会 兵庫県集会

2017.01.30

1月21日、「子どもたちに平和な未来を~誰もが安心してくらせる社会であるために~」をテーマに、「第40回母と女性教職員の会 兵庫県集会」をラッセホールにおいて開催し、県内各地域から保護者・退職教職員を含めた約200人が参加しました。

「母と女性教職員の会」の運動は、1954年に始まりました。「わが子、教え子を再び戦場に送るな」をスローガンに、子どもたちの幸せをめざし、女性がいきいきと生きられるように、そして、憲法を守るために全国各地でとりくみを続けています。

全体会では、田口奈緒さん(性暴力被害者支援センターひょうご代表)から「学校における性犯罪被害対応~今そこにある危機」と題した講演を受けました。参加者からは、

  • 性暴力に対し、自分や自分の身の回りで今起きるかもしれないと認識してなかったことをはずかしく思った
  • 性被害に遭う年齢が思った以上に低く、男子もあっていることに驚いた
  • 性犯罪への対応が、小学生・中学生でもあり得ること、デートDVの例を聞いて改めて感じた
  • 知識を身につけておくことで犯罪を防げること、ケアにつなげていけることがわかった

などの感想がありました。

分科会では、3つのテーマで討議をおこないました。
「平和と国際連帯」分科会では、「夜間中学が問うもの ~戦後夜間中学の変遷と、私が出会った生徒たち~」について問題提起を受け、討議をおこないました。夜間中学校の歴史を知り、その必要性を考えるとともに、不登校や外国籍の子どもたちのための今後のとりくみを確認しました。

「子どもの人権を考える」分科会では、「じぶん まる! ~性って誰かに決められるもの?~」と題したセクシュアルマイノリティの子どもたちの居場所づくりについて問題提起があり、討議をおこないました。「性の多様性」について具体的に聞き、考えることで、おとなが多様な視点を持つことの大切さを確かめ合うことができました。

「性別にとらわれず自分らしく生きる」分科会では、「男性養護教諭として働いてみて」について問題提起を受けました。現場での悩みや苦労とともに、子どもたちが男性養護教諭を当たり前に受け止める様子を聞き、性別ではなく「個」の大切さについて考えることができました。

「母女」は、地域のことは地域で、全国的な問題は大きく連帯してとりくむことが運動の原点です。今後も、保護者・地域の方々と教職員がともに手を携え、誰もが安心してくらせる平和な社会であるための運動を続けていきたいと思います。

集会にご協力いただいた皆様、ご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

阪神・淡路大震災22年 児童・生徒、教職員- 追悼の夕べ -

2017.01.23

1月17日、震災で犠牲となった児童・生徒、教職員の方々のご冥福をお祈りするとともに、震災の教訓に学ぶ教育改革をめざす決意を新たにするために、今年も(一財)兵庫県学校厚生会に共催いただき、「追悼の夕べ 」を開催しました。ご遺族、県内教育関係者をはじめ、約250人の参加がありました。
※組合員専用ページ「動画」に様子をアップしました。

開会にあたり、神戸市立桂木小学校合唱団のみなさんが「追悼の歌」を会場に響かせました。参加者の中には「しあわせ運べるように」や「花は咲く」などの子どもたちの美しい歌声と心をこめて歌う姿に心を動かされ、涙を浮かべる方もありました。

黙祷の後、「1・17への思い」として、泉雄一郎執行委員長と、高井芳朗教育長が、震災で得た教訓を生かしていく決意等を述べました。

メモリアルコンサートでは、芦屋支部の森洋樹さんが小学校6年生で被災した経験、祖母や友達を亡くしたことを受け止めるまでの様子や周りの人々とのかかわり、今の思いを語られました。
(※ 語りの全文は下記に掲載)

最後に、KOBE CORY BAND金管5重奏のみなさんが、「星に願いを」や「ふるさと」など、金管アンサンブル演奏を披露しました。小学生で被災したメンバーは、音楽を通して子どもたちに震災を伝えていきたいと話し、やわらかい音色を響かせました。

震災から22年。震災を「忘れない」とりくみとともに、震災を経験していない若い世代へ「伝える」とりくみがもとめられています。「追悼の夕べ」にも、震災当時の小学生や震災後に生まれたみなさんが出演し、思いを語ることが増えてきました。

兵教組は、今後も、震災を伝えるとりくみとともに、子どもたちに「生きる力」を育む教育実践、各地で発生している自然災害などにより被災した教職員や子どもたちの支援に引き続き努力していきます。

 


 

【森さんの「語り」全文】


◆22年前の1月17日
22年前の1月17日も,今日と同じ火曜日でした。その時私は小学校6年生で,ちょうど卒業に向けての準備が始まろうとしている時期でした。火曜日には,毎週楽しみにしていたクラブがあり,最後のリーグ戦が予定されていました。クラブが大好きだった私は,授業の用意と,卓球のラケットをしっかりと用意して,次の日が来るのを楽しみにして眠りについたことを覚えています。
 
しかし,そんな当たり前のように来る次の日は,当たり前の日常ではありませんでした。
 強い揺れを感じて,すぐに目が覚めました。とっさに「地震だ!」と感じ,布団をかぶって身を守りました。地震の経験はありませんでしたが,北海道の奥尻島やアメリカのロサンゼルスで起こった地震のことは,家族や友人と話題にしていたため,心のどこかにそれが残っておりとっさに反応できたのだと思います。強い揺れの中,必死に布団をおさえていました。揺れがおさまり,気が付くと重いものがのしかかり,体を動かすことができませんでした。
 当時,私は6人家族で,2階の同じ部屋で寝ていた両親と,隣の部屋で寝ていた一番上の兄,そして1階では祖母と真ん中の兄が寝ていました。両親はすぐに「大丈夫か」と声をかけてくれました。しかし,すぐ真下から,次男の「助けてくれ」という声も聞こえてきました。とにかく外に出ようということで,私もなんとか体の上の重いものから抜け出しました。周りは電気も消え真っ暗だったので何も見えませんでしたが,立ち上がった瞬間,平衡感覚が失われ,頭がクラクラする感覚を覚えました。
2階の窓から,屋根を伝って外に出ようということになり,その移動中に,剥がれた屋根の瓦に足を乗せてしまい,屋根を転がり落ちてしまいました。「屋根から落ちる!」と思い身構えた瞬間,落ちたその先は地面でした。1階で寝ているはずの次男の声がすぐ下から聞こえてきたこと,立ち上がって頭がクラクラする感覚に加え,2階から落ちたはずなのにすぐに地面があること,全ての状況が呑み込めないまま,外に脱出することができました。これは明るくなって分かったことですが,家は1階部分が潰れ,南側に倒れている状況でした。私が寝ていた部屋は斜めに傾いており,伝って降りた屋根はそのまま地面についているような状況でした。
転がり落ちた時に,顔に擦り傷を負ってしまったため,私は2軒隣の無事だったお宅で手当てをしてもらい,夜が明けて少し状況が落ち着くまでの間,その家に避難させてもらっていました。9時前に再び家に戻って変わり果てた家を見た時,愕然としたのを覚えています。両親や長男は,近所の方々に助けてもらいながら生き埋めになっている祖母と次男を救出している最中でした。その後なんとか次男はがれきの中から救出されました。祖母はさらにその奥におり,次男を助け出したところから足は見えたそうですが,間に大きな梁があり簡単には助け出せず,祖母が助け出されたのは結局11時くらいでした。助け出した時には意識はなく,病院に着いた時にはもう息がなかったそうです。祖母の遺体は,近所の付き合いのあるお宅に安置させてもらいました。
結局その日の夜は,家族でその一部屋をお借りして,祖母を囲んで過ごしました。父は近所で家屋の下敷きになっている人の救出に回っており,帰ってきたのは深夜でした。テレビで報道されている亡くなった人の数がんどん増えていくのが怖かったことを覚えています。

その後は,潰れた家屋の中から使えそうなものを出したり,トイレの水を井戸から汲んだり,必要な救援物資をもらってきたりするのが私の仕事でした。まだ子どもながら,何か自分にもできないかという思いがあったのを覚えています。先生方も,電話が通じなかったため子どもの家を一軒一軒回って訪ねてきてくださいました。抱きしめてもらったときの温かさは今でも忘れることができません。
その時に,だったかどうかは定かではありませんが,学校が再開するまでの間に,同級生も2人亡くなったということを聞いていました。2人ともクラスは違いましたが,1人は3・4年で同じクラスで,廊下で会うとよく声をかけてくれていました。もう1人は家が近くで,一緒に話しながら帰ることもありました。2人とも潰れた家屋の下敷きになり亡くなった,と聞いています。そんな2人のことを知った時には,悲しい気持ちであったはずなのに,涙は流れませんでした。祖母をはじめ,同級生や近所の方,近しい人の「死」が一気に押し寄せてきて,自分の中で心の整理が追いつかなかったのだと思います。

◆学校再開
学校が再開したのは2週間ほど経った2月2日でした。通っていた精道小学校は,地震直後から多くの方が避難され,教室も体育館も避難所になっていたため,学年ごとに一つの特別教室に集まって授業を受けました。一時転出等で県外に避難していた友だちも多く,100人くらいいた6年生は,再開の日には半分の50人ほどでした。
運動場も体育館も使えず,休み時間には体を動かして遊ぶことができませんでしたが,たくさんのボランティアの方々が遠くから励ましに来てくださいました。覚えているのは,プールに大きな紙を用意してもらって,全身絵の具まみれになって思い切り自由に絵を描いたことです。給食も材料の確保も難しい中,早期に再開をしていただきました。最初は火を使わない簡易的なものでしたが,しばらくするとプロパンガスを使って温かい給食も提供していただきました。卒業までに,一時転出していた友だちも次第に戻ってきて,少しずつこれまで通りの日常が戻ってきたことがうれしかったです。
卒業式は,運動場に建ててもらった大きなテントでおこないました。卒業式の日には一時転出していた友だちも戻ってきて,亡くなった2人とともに全員で卒業式を迎えることができました。最後の花道には,在校生と一緒に避難されている方,ボランティアの方も加わり,温かく送り出していただきました。
私の家は,がれきを撤去し簡易的な住宅を建て,そこで中学校の3年間を過ごしました。中学校でもグランドの半分に仮設住宅が建っていました。部活動はテニス部に入りましたが,歩いて30分ほどのところにある市営テニスコートを使いました。そういった不便さにも次第に慣れ,少しずつ更地にも新しい家が建ち,ひび割れた道路は修復され,震災の爪痕は見えなくなっていきました。

◆震災を受け入れる
私が,震災ともう一度向きあったのは大学生の時です。地方の大学に通ったのですが,そこで「兵庫の芦屋出身」と伝えると,「震災は大丈夫やった?」と多くの人に尋ねられました。その質問に,私が体験した話をありのままに話すことができず,どこか被害を軽く偽って答えていました。「家は全壊やったけど,家族はみんな無事で…」とか,「うちの家は無事やったけど,近所の被害は大きくて…」とか,その場その場でとっさに違うことを言っていました。自分でもなぜそんな風に答えてしまうのか分からず,戸惑いました。今振り返ると,震災のことについて尋ねられるという経験はその時が初めてで,自分が体験したことを話すということはありませんでした。街は復興して,相応の年月が経っても,自分は全く震災を受け入れることができていなかったのだと思います。

私がようやく震災を受け入れることができたと思うのは,ちょうど10年経った2005年の1月17日のことです。その日,私は大学4年で,研究室で卒業論文を書くための研究を夜遅くまでしていました。夜中の1時くらいだったでしょうか,休憩がてらインターネットを覗いてみると,震災から10年ということで,例年よりも大きく写真特集が組まれていました。高速道路が倒れている様子や長田の火災などの写真を見ているうちに,自分でもなぜか分かりませんが涙が流れてきて,止まらなくなりました。私が震災のことで泣いたのは祖母が亡くなり遺体と対面したとき以来で,同級生や近所の方が亡くなったと聞いた時にも涙は流れませんでした。その10年越しの涙に,私自身戸惑いましたが涙は止まらず,しばらくの間流れ続けました。
そこが、私が震災を受け入れられた瞬間だと思っています。それから自分の体験を,ありのままに話せるようになりました。教員になってからも,毎年その時の子どもたちに話しています。話し始めた当初は,自分の体験を分かってほしい,という思いが強すぎたのだと思います。毎年,話しても今一つ子どもたちに伝わりきっていないような感覚でした。なぜだろう,もっと伝わりやすくするためにはどんな話をすればいいだろうと悩んでいましたが,ある日を境に,考え方が変わりました。
それが東日本大震災の日です。津波の映像や,燃える町の様子をテレビを通して見ていて,現実に今,起こっているとは捉えられないほどショックな出来事でした。その時から,子どもたちにとっての阪神・淡路大震災も同じことなのかもしれないと思うようになりました。それからは,もちろん過去にどんなことがあったのかを知ってほしいという思いはありますが,それに加えて,過去を知って,今後来る災害の時に,自分の命を守るための備えや方法を考えてほしいと思いながら体験談を話しています。また,東日本大震災の後から,私が自分の体験を話すことができるようになるまで10年かかった,という話もするようにしています。今後,今の子どもたちが大人になり,東日本大震災や熊本の震災で心に傷を負った子と出会った時に,この話を思い出してほしいと思っています。

◆復興支援ボランティアとして
昨年5月,熊本県の益城町に復興支援ボランティアに行く機会をいただきました。偶然にも小学校でボランティアをすることができ,次の日から学校を再開するために,教室に入られている方に体育館に移ってもらったり,教室の清掃などの手伝いをしたりしてきました。おそらく阪神・淡路大震災の時にも,たくさんのボランティアの方に同じようにしてもらったのだろうなあと思いながら,恩返しのつもりでボランティアをおこなってきました。少しだけその学校に通う5年生と話す機会がありました。「学校が始まって,友だちと会えるのは嬉しい」と,少しだけ笑顔で話してくれましたが,心の中では大きな傷を負っているのかもしれないとかつての自分と重ねてしまいました。
 阪神・淡路大震災も,2年前の20年を区切りに,記念行事や追悼行事が少なくなっている,というニュースを聞きます。でも,未だに阪神・淡路大震災を受け入れることができない方もまだまだいらっしゃると思います。区切りなんていうものではなく,これから先もずっと私はこの日に自分の体験を伝えたいと思っています。1.17で亡くなった方々のことを,語り続けていきたいと思っています。

2017年1月17日
森 洋樹

2017年 年頭のごあいさつ

2017.01.01

「兵教組結成70年を契機に、さらなる運動の前進を!」

2017年の年頭にあたり、兵教組本部執行部を代表し、ごあいさつを申し上げます。

兵教組は、本年、結成70年を迎えます。1947年7月10日、明石女子師範付属小学校講堂で、兵庫県教職員組合結成総会が開催されました。県内各地から、よれよれの国民服やモンペ姿で、食糧を入れたリュックサックを背負った代議員415人が参集し、議事では、「綱領」「規約」「役員」「予算」「労働協約締結」「機関誌」「日教組加盟」などを決定したと、当時の記録にあります。

私たちの先輩が築いてこられた運動の成果を語り継ぎ、教職員の協力・協働によるこころの通いあう学校づくり、給与水準の向上、諸権利の拡充、教育文化・社会貢献事業の推進、国際交流の深化をめざしてまいります。

また、本年は、兵庫教育文化研究所の設置40年にもあたり、蓄積された兵庫における教育実践の継承をはかりつつ、日本国憲法・子どもの権利条約の理念を生かす教育改革の実現をめざしてまいります。「いきる つながる みちひらく」をキーワードに、ひょうご教育フェスティバル等の研究成果をふまえて、保護者や地域の方との社会的対話をすすめていきましょう。

5月にはフィンランド教育文化交流団を受け入れ、8月にはフィンランド・OECDへ兵庫県の教職員を派遣する予定です。これまでの相互交流を通して学んだ「学力の国際標準」もふまえ、「生きてはたらく力」「人とつながる力」「学びつづける力」をはぐくむ教育研究活動をすすめ、子どもの最善の利益を追究してまいりましょう。

4月から県費負担教職員の給与負担や学級編制基準等の権限が神戸市へ移譲されます。これにともない、組織力・運動の低下を招かないように、神戸市教職員組合をはじめ、県内の地域単位教職員組合をもって組織する連合体として兵教組を改編していきます。皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

兵教組は、教職員の実践がゆたかなものとなるよう、「生きる力」をはぐくむ教育施策の充実、勤務時間の適正化、教育予算・教育条件の整備・拡充にむけ、引き続き「参加・提言・改革」の運動をすすめます。

運動の基盤は組織力であり財政力です。「組合活動の見える化」運動にとりくみ、新年度も新規採用教職員を中心に組織拡大・加入促進にとりくんでいきましょう。

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

ひょうご教育フェスティバル(第66次兵庫県教育研究集会)開催

2016.11.21

11月12日(土)~13日(日)の2日間、新温泉町において「ひょうご教育フェスティバル(第66次兵庫県教育研究集会)」を延べ約4,400人(うち、保護者・地域の方・子ども等は約800人)の参加を得て開催しました。本集会は、「開かれた教研」として12年目となります。

全体会は、新温泉町立浜坂中学校吹奏楽部による美しく、楽しい演奏とともに始まりました。記念講演は、志水宏吉さん(大阪大学教授)をお招きし、「力のある学校づくり~格差の現状とその克服~」と題してお話いただきました。一人ひとりの子どもを大切にした学校づくりについて提起がありました。

分科会は、第1分野「子どもを中心にすえた 楽しい学校づくり」、第2分野「地域と手をたずさえて 子ども・保護者の願う教育改革」と特別分科会「生きる力を育む教育」の24分科会で構成し、分会から支部教研へと積み上げてきた教研活動の実践を交流しました。今次教研には、保護者・地域の方のリポート47本を含め、総計392本のリポートが提出されました。

記念事業の「子どもの育ちを考えるシンポジウム」は、(公財)こども教育支援財団との共催で、テーマを「子どもがゆたかに生きる 今、とりくめること ~学びの場の魅力づくり~」として開催しました。新たな不登校問題を起こさないためにも、学校で起こりうる問題を学校だけで抱え込むのではなく、確かなマネジメント力で子どもや家庭に寄り添い、子どもの育ちを豊かにするとりくみを続けていこうと提起され、参加者全員で学び合いました。

子ども体験・ステージ発表は、両日の昼休みの時間に開催しました。但馬地区の子どもたちにより、「金管バンド演奏」「キッズダンス」「子ども歌舞伎」が発表されました。展示・体験コーナーでは、地域の方々の協力を得て、「どろだんごづくり」「マユ人形作り」「まが玉づくり」「石のペンダントづくり」など特色あるコーナーを多数開設しました。また、「親子料理教室」「スタンプラリー」も実施し、多くの子ども・保護者の参加がありました。

私たちは今後も、創造的な教育研究活動の定着・発展と、保護者・県民の信頼に応える教育力量の向上をめざして、「いきる つながる みちひらく ~自立と連帯・共生の学びと教育~」をメインテーマに教育研究活動をすすめていきます。
地元新温泉町・香美町の関係者の方々、後援団体のみなさんをはじめ、多くの方々にご協力をいただいたことに心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

第39回平和教育実践交流集会

2016.10.31

各学校においておこなわれている平和教育の実践に学び、とりくみを継承し、発展させていくために、第39回平和教育実践交流集会が芦屋支部で開催され、75人が参加しました。

オープニングでは、芦屋支部の有志のみなさんによる合唱組曲「ちいちゃんのかげおくり」の発表がありました。これは、芦屋支部の組合員によって作詞・作曲され、現在まで歌い継がれてきているものです。参加者・発表者とも感動し、涙を流す姿がみられました。

開会行事に引き続き、芦屋支部より「芦屋で作成した冊子を使ってのとりくみ」「修学旅行を通した平和学習のとりくみ(小・中)」の3本の実践報告がありました。討議においては、参加者から「外国というと子どもたちはどうしても欧米の方を考えてしまいがちだが、アジアの方への視点を考えていかなければならない」「広島・沖縄へ修学旅行を計画しているが、見学先の決定や事前指導をどのようにおこなっていったらよいのか」といった意見や質問が出されました。実践報告のまとめとして、平和教育部会の研究所員からは、「被害だけでなく加害の視点も大切にしたとりくみをしていかなければならない」「マスコミ等の情報にまどわされないメディアリテラシーを育てることも必要である」など、これから平和学習をすすめていくうえでの視点が示されました。

午後のパネルディスカッションでは、平和教育部会の研究所員から支部の平和部会がおこなっているとりくみや、フィールドワークについて紹介があり、その後、8つのグループに分かれて各支部のとりくみの交流をおこないました。地域によって修学旅行の行き先等にちがいがあることや、支部によって部会の有無があるなど課題があるなかで、それぞれのとりくみが交流され、熱心に討議されました。

参加者からは、「ちいちゃんのかげおくりの合唱に参加することを通して、平和教育について多くのことを学んだ」「子どもたちに平和の尊さを伝えるためには、まず自分自身が学び、強い思いをもつべきであると感じた」「地域性など様々な事情があるなかで、日々の生活の中でも、いかに子どもたちに考える場、きっかけ、機会を与え深めることができるかを大切にしたい」と感想が寄せられました。

今回の集会をひとつの契機として、「戦争をなくせば平和」という平和観にとどまらず、地球規模の問題ととらえて平和・人権・環境・共生にむけた教育をすすめる必要があります。またその実現のために「ゆたかな学び」を追求していかなければなりません。

県内各支部・分会で、それぞれの地域・子どもの実態に応じて、戦争体験の継承、地域素材の掘り起こしとその教材化を推進し、兵庫における平和教育をいっそう深化・発展させていきましょう。

2016カムバックセミナー

2016.10.11

8~10月にかけて、職場復帰を控える育児休業中の組合員を対象とした「カムバックセミナー」(主催:教職員共済・共催:兵教組)を神戸・姫路・但馬の3会場と神戸支部・三美支部で開催し、合計95人が参加しました。

育児を支援する制度や学校現場の最新情報、子どもの成長などライフステージの変化に対応した生活設計等の情報の提供とともに、子育て経験者の先輩組合員からのメッセージを届けました。保育所の準備や仕事との両立の工夫、育児短時間勤務制度利用者や離職再採用制度利用者の声などをまとめた「アドバイスブック」も配付しました。
参加者の声は下記の通りです。

講座Ⅰ「育児と仕事の両立支援制度・権利獲得のあゆみ」

  • 知らなかった制度や実際に取得する具体的な話を聞けてよかった
  • 先輩からの生の声を聞けてよかった、励まされた
  • 来年からがんばって働こうと前向きに考えられるようになった
  • 昔の育児支援関連の冷遇には驚かされた
  • 先輩方のおかげでたくさんの制度があることがわかった

講座Ⅱ「子育て世代の貯蓄と保障」

  • 子どもの大学進学資金にとてもお金がかかることがわかった
  • 遺族年金のしくみなどを聞くことができてよかった
  • とてもわかりやすい説明だった
  • 教職員共済が相談にのってくれることを知り、今すぐ「保障の見直し」を利用したいと思った

講座Ⅲ「学校の最新情報」「参加者交流会」

  • 現場を離れていると不安になるが、現状を聞けてよかった
  • 勤務校の資料をたくさんいただいてうれしかった
  • 同じ悩みを持った先生と話ができてよかった
  • たくさん話せてリフレッシュできた

また、昨年度の対県確定交渉において、カムバックセミナー参加者の声をもとに「妊娠教員の負担軽減のための補助教員配置拡充」をもとめ、今年度4月より小学校の学級担任は現行分に加え、運動会前1か月にも拡充されました。「次の世代のために」と、産休代替や育休をはじめとした権利獲得のためにたたかってきた先輩方の思いが今もつながっています。
4年目の開催となり、のべ参加者数は300人を超えました。参加者の中には、2、3度目のリピーターもおられ、教職員共済・兵教組としても嬉しく思っています。参加希望者のニーズに応えながら、今後も権利拡大とともに、セミナーを開催していきます。

「追悼の夕べ」出演者募集のお知らせ

2016.10.06

兵教組では、阪神・淡路大震災で犠牲となった児童・生徒、教職員の方々のご冥福を祈るとともに、震災の教訓に学ぶ教育を創造していく決意を新たにし、遺族の方々と共に生きることの尊さを感じ合うため、毎年1月17日に「追悼の夕べ」を開催しています。
来年(2017年)1月17日(火)17:30より開催する「阪神・淡路大震災 児童・生徒、教職員追悼の夕べ」の出演者を募集します。

阪神・淡路大震災、東日本大震災支援をはじめ、県内で音楽ボランティア経験のある方や団体など、音楽活動をされている方で出演希望の方は兵教組各支部(または本部生活部)までご連絡ください。

●出演内容   楽器演奏・歌唱・合唱など15分程度    
●募集数    2団体
●出演資格   兵教組組合員  
※組合員(元組合員の退職者含む)が含まれていれば、一般団体も可
●応募締切   2016年10月末
*「追悼の夕べ」についてのお問い合わせは…
兵教組各支部または兵教組生活部(050-3538-2346)まで

写真は、2015年「追悼の夕べ」より