新着情報

第43回母と女性教職員の会 兵庫県集会

2020.02.10

1月26日、「子どもたちに平和な未来を~誰もが安心してくらせる社会であるために~」をテーマに、「第43回母と女性教職員の会 兵庫県集会」をラッセホールにおいて開催し、県内各地域から保護者・退職教職員・各自治体議員を含めた約180人が参加しました。

「母と女性教職員の会」の運動は、1954年に始まりました。「わが子、教え子を再び戦場に送るな」をスローガンに、子どもたちの幸せをめざし、女性がいきいきと生きられるように、そして、憲法を守るために全国各地でとりくみを続けています。
全体会では、李京愛さん(民族教育ネットワーク事務局長)から「在日コリアンの私が考えること」と題した講演がありました。ご自身の幼少期からの思い、また親となってからのお子さんへの思いやさまざまな経験の中で考え、行動されてきたことをわかりやすく話していただきました。

分科会では、3つのテーマで討議をおこないました。
「平和と国際連帯」分科会では、大西登志子さん(OneDrop)から「ひとつぶの奇跡」と題し、バングラデシュに生きる子どもたちへの教育支援のとりくみをもとにご提起いただきました。参加者からは「教員として、今後、子どもたちにどんなふうに伝えていこうかと考えた時間だった。」等の感想がありました。
「子どもの人権を考える」分科会では、河野美智子さん(尼崎)から「トランスジェンダーの生徒に対する登校支援~学校生活をありのままの自分で…~」と題し、具体的事例をもとに、性の多様性への理解と個性を尊重する体制づくりについてのとりくみをご提起いただきました。参加者からは「自分事としてとらえる子ども、多様性を受け入れられる子どもを育てたいと改めて思った。」等の感想がありました。
「性別にとらわれず自分らしく生きる」分科会では、西﨑節子さん(芦屋)から「女として 人として 人と共に生きる ~自分らしく、感じるままに~」と題し、ご自身の経験をもとに、自分らしく生きることのたいへんさ、重要さについて話していただきました。参加者からは「おかしいと思ったことは声を上げ、相手に問いかける勇気を見習わないといけないと思った。」等の感想がありました。

「母女」は、地域のことは地域で、全国的な問題は大きく連帯してとりくむことが運動の原点です。今後も、保護者・地域の方々と教職員がともに手を携え、誰もが安心してくらせる平和な社会であるための運動を続けていきます。

集会にご協力いただいた皆様、ご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

ひょうご教育フェスティバル(第69次兵庫県教育研究集会)を開催しました

2020.01.31

第69次兵庫県教育研究集会「ひょうご教育フェスティバル」が11月9日(土)、10日(日)の2日間、姫路市で開催されました。本集会は、「開かれた教研」として15年目を迎え、教職員、退職教職員、子ども、保護者・働く仲間・地域の方々など、のべ4,700人が参加し、うち、子ども・保護者など一般の参加者は約1,000人でした。全体会・分科会を通して活発な討議がおこなわれました。

全体会
9日(土)、姫路市市民会館で開催され、約800人が参加しました。白鷺小中学校の和太鼓部による演奏と網干中学校2年生による津軽三味線演奏でオープニングが飾られました。
その後、主催者を代表して、川原芳和兵庫教育文化研究所所長・兵庫県教職員組合中央執行委員長のあいさつの後、来賓あいさつでは、福永明連合兵庫会長・荒木一聡兵庫県副知事・西上三鶴兵庫県教育長・黒川優姫路市副市長・阿曽浩子姫路市連合PTA協議会副会長からそれぞれ心に響く激励を受け、全体会前半が終了しました。

記念シンポジウム
髙田一宏大阪大学大学院教授を座長とし、シンポジストに小学校教員の山崎温加さん(南あわじ)、坂元宣之白鷺小中学校学校運営協議会会長、村田かおり兵庫県教育委員会義務教育課長、半羽利美佳武庫川女子大学准教授の4人を迎え、「歴史を引き継ぎ、未来にむけた学校づくり~どうなる2030年 こうしてすすめよう兵庫の教育改革~」と題し、議論が展開されました。シンポジウム後半には、フロアからの職場実態をもとにした発言もあり、会場は熱気に包まれました。
2030年の学校づくりに、教職員が地域や関係機関とどのように連携してとりくんでいけばよいのかを共有できたシンポジウムとなりました。

分科会
領域1として「子どもを中心にすえた 楽しい学校づくり」に11分科会、領域2として「地域と手をたずさえて 子ども・保護者の願う教育改革」に12分科会と特別分科会「生きる力を育む教育」の24分科会で構成し、分会から地域教研へと積み上げてきた教研活動の実践を交流しました。今次教研には、保護者・地域の方のリポート51本を含め、総計387本のリポートが報告されました。 

展示・体験コーナー
地元中西播地区の協力により「どんぐり工作」「『宍粟杉』でキーホルダーづくり」「絵手紙教室」「レザークラフト教室」「はじめよう!スナッグゴルフ」「ドローンフライト体験」「夜間中学を知っていますか?―播磨にも夜間中学を―」「子ども多文化共生センター展」「布のおもちゃづくり」「あすをひらく美術教育展」「親子でつくろう料理教室」「安全・安心でおいしい学校給食展」など特色あるコーナーを開設しました。
そして、会場を巡る「スタンプラリー」も実施され、多くの子ども・保護者が参加しました。

第46回教育課程編成講座を開催しました!

2019.08.27

「わかる授業・たのしい学校」の実現をめざした、教育課程の編成と創造的な教育研究活動を組織的にすすめるために、第46回教育課程編成講座を開催し、2日間で667人の参加がありました。

前期の全体会では、住友剛さん(自治的諸活動と生活指導部会協力研究所員)をコーディネーターとして、「子どもの権利条約をさまざまな視点から考えよう」をテーマにシンポジウムをおこないました。 シンポジストの研究所員からは、「いま、教職員として、子どもや保護者の生きづらさ、願いと向き合う」という切り口から、「子どもの権利条約」の具現化をめざす教育実践のあり方についてお話いただきました。

 参加者からは、「経済的な困難に直面する保護者と子どもの視点、外国につながる子どもたちの視点、人権教育の視点など多様な角度から今の子どもの課題になることや共通する大切なことについて考えることができた。子どもの権利条約を改めて見直そうと思った」「子どもの権利条約から自分のめざすものの根拠となるものを再確認できた。子どもや保護者の願いにきちんと向き合う教職員集団でありたい」などの感想がありました。

後期の全体会では、島善信さん(教育課程部会協力研究所員)をコーディネーターとして、「地域と学校の関係を問い直そう~協働の形を模索して~」をテーマにシンポジウムをおこないました。シンポジストの研究所員からは、少子化による学校の統廃合や小中一貫教育にむけての議論が各地ですすめられていく中、義務教育学校の現状や地域を巻き込んだコミュニティスクールへの対応や課題などについてお話いただきました。

参加者からは、「社会の様子が変わり、学校の姿も多様化している。地域とのかかわり方を改めて考えるよい機会となった」「2030年を見すえて、学校と地域の関係を問い直す必要性について考えさせられた。子どもを主体に、学校だけではなく多様な地域の方々と連携してコンピテンシーをつけていきたい」などの感想がありました。

午後からは、前期が課題別の9分科会、後期が教科系の10分科会にわかれて、分科会が開催されました。協力研究所員や研究所員を中心に、全国教研の還流や、授業実践報告、ワークショップなどが企画され、参加者は積極的に活動に参加し、熱心な討議や地域組合間交流をおこないました。

今後、新学習指導要領の全面実施をひかえ、教育課程の見直しがされていく中、改めて「ゆたかな学び」を具現化するための教育課程の自主的・創造的編成にとりくむとともに、「子どもを中心にすえた学校づくり」の原点に立ち返り、生きる力をはぐくむ自立と連帯・共生の教育のさらなる深化をめざしてとりくんでいく必要があります。編成講座での学びを生かした実践をすすめ、今秋の第69次兵庫県教育研究集会においてさらに討議を深めていきます。

第59回養護教員部サマーセミナーを開催しました!

2019.08.09

8月9日、第59回養護教員部サマーセミナーが開催され、県内各地域より約140人が参加しました。

記念講演では、「虐待から子どもを守る~今、できることを~」と題し、兵庫教育文化研究所副所長の塚田良子さんから具体的な事例をふまえた話をしていただきました。

塚田さんは「学校は人間関係の構築が大切である。担任だけでなく子どもの保護者と繋がっていくことはとても重要である。情報をしっかり収集し、その情報を教職員が共通認識することが必要である。人間関係の構築には『安心・安全』が不可欠である。子どもたちは、施設に入所しているのは自分が悪いと思っていることが多い。『あなたは悪くないよ』と子どもたちに声をかけてあげてほしい。一人で抱え込まず、地域で連携していこう」と呼びかけました。参加者からは、「情報が収集できたら、市教委と相談し、適切に対応したい」「子どもたちの家庭環境を把握しながら、教育をすすめなければならない」といった感想が寄せられました。

続いて、日教組の菅谷宝子養護教員部副部長から中央情勢報告がありました。文科省協議をふまえ、運動器検診、色覚検査、集団フッ素洗口・塗布、ピロリ菌検査など、養護教員部の全国的な課題やその背景の報告・説明がありました。参加者からは「運動器検診が導入された流れや色覚検査の歴史など知ることができてよかった」「子どもの健康と教育の場が両立できるように考えていきたい」「常に『本当に安全か、子どものためになっているか』という視点を大切にしたい」などといった感想が寄せられました。

その後、「子どもの悩みや問題点にふれて」「子どもの健康権の確立について」「養護教員部運動の強化発展のために」をテーマに3つの分科会で、活発な討議がおこなわれました。

兵教組養護教員部は、各地域組合と課題の共有をはかり、今後も子どもたちの支援につなげていきます。

第42回平和教育実践交流集会を開催しました!

2019.08.06

第42回平和教育実践交流集会を「見つめ 語り継ぐ 平和教育 ~郷土を巡るとりくみから~」をテーマに、南あわじ市で開催し、79人が参加しました。

開会行事に引き続き、市内にある「若人の広場公園」でフィールド・ワークをおこないました。先の大戦においてさまざまな軍需工場での生産に動員され、学業半ばで亡くなった学徒を追悼するために建てられた施設です。平和教育部会研究所員から、フィールド・ワーク等でまずは自ら現地を訪れ、戦跡に触れたり、体験者から話を聞いたりすることの大切さや、地域の教材を活用した平和学習について話がありました。

午後からは、南あわじの中学校の沖縄への修学旅行を中心とした平和学習にとりくんだ実践報告の後、研究所員を中心に「『平和教育実践ガイド』を活用した平和学習」について実践の提案がありました。所員からは、戦争を加害と被害の多面的・両面的な視点から考える力を育て、戦争を防ぐ方法を考えることや戦争に対する当事者意識を育てる授業実践等の紹介がありました。

提案を受けた後のグループ討議では、各地域組合や分会のとりくみの交流をおこないました。平和教育にどのようにとりくんでいるのか、地域教材をどう発掘すればいいのか等、熱心に討議されました。参加者からは、「過去の出来事を正しく知ること、そして、知ることによってどう考え、未来へどうつなげていくのかがとても大切だと改めて感じることができた」「平和教育に対するイメージが変わった。身近な地域教材や絵本などを活用していきたい。まずは、校区の教材を見つめ直し、子どもたちとともに考えていきたい」「多様性、多面的な視野、みんなちがって、みんないい。どれも大切だと感じた」といった感想が寄せられました。

今回の集会が、平和教育を難しく考えるのではなく、身近なものとして捉え、実践していく契機になったのではないかと考えます。

今後も、県内各地域組合・分会で、『平和教育実践ガイド』を活用し、それぞれの地域・子どもの実態に応じて、戦争体験の継承、地域素材の掘り起こしとその教材化を推進し、兵庫における平和教育をいっそう深化・発展させていきましょう。

第31回栄養教員部夏季学習会を開催しました!

2019.08.05

8月5日、第31回兵教組栄養教員部夏季学習会がおこなわれ、約140人が参加しました。

栄養教員部は、1976年結成以来、「食はいのち」をスローガンに「学校給食を中心にすえた食育」を学校・地域全体で推進しており、その一環として毎年「夏季学習会」を開催しています。

全体会では、「ともに考えよう、献立の中から見える課題」をテーマに、西本睦美さん(神戸)、釜本恵美さん(川西)、友定宏美さん(明石)、花畑英子さん(姫路)、西尾彩加さん(豊岡)、井口直美さん(多紀)の6人の先輩栄養教員から、各地域の実態や課題、食物アレルギー対応、ノロウイルス対策などのお話をしていただきました。参加者からは「自分の勤務している施設と比較しながら、課題を見つけることができた」「単独校・センター・特別支援学校での形態の工夫や細かいアレルギー対応等がどのようにおこなわれているのか学ぶことができた」「もう少しアレルギーのある児童・生徒への配慮した献立を作成しないといけないと感じた」などの感想が寄せられました。

午後からは「食物アレルギー対応」「衛生管理」「中学校における給食・食育」「特別支援学校(支援の必要な児童・生徒への対応を含む)における課題」「共同調理場における課題」のテーマごとにグループ討議をおこないました。

栄養教員部は、すべての学校・地域でさらに食育を充実させるとともに、安全・安心の学校給食の充実と組合活動の発展と組織拡大・強化にむけ、今後もとりくみをすすめていきます。

青年部サマーセミナーを開催しました!

2019.08.04

8月3日~4日、県立南但馬自然学校にて「Hey Enjoy!ギュギュっと一致団結 みんなでわっしょい(話・輪・和)!!」をテーマに、青年部サマーセミナーを開催しました。県内各地域組合から青年部員270人の参加がありました。

初日の講座Ⅰでは、青年部OBや地域組合の書記長を招いてパネルディスカッションをおこないました。講座を通して、「青年時代の失敗談」「組合に入って心強かったこと」「もし組合がなかったら」「青年部に期待すること」などを考えました。参加者の中からは「青年部活動を『自分事』として考え、行動していきたいと思った」「もし組合がなかったらという話を聴いて、組合のありがたさを学んだ」「毎日の仕事は組合に支えられているんだなと改めて感じた」「魅力的な青年部をめざして、ベターと思うことを行動に移していきたい」等の感想が出ました。

講座Ⅱでは、それぞれのグループに分かれて学習をすすめました。「職場で困っていること」や「現状をよくするために2学期からできることは」などについて話し合いました。学校園所で困っている人をどう支えていくかや青年部として自分たちが今後どのようなとりくみをしていくのかなど多くの意見が出されました。サマーセミナーだけでなく、各自が自分の職場に帰った時、私たち青年がどのように主体的に行動していくべきかを考えられるよい機会になりました。

2日目の講座Ⅲは、教育的力量を高める学習活動・交流活動をおこないました。兵教組が提唱する体験活動に重点を置き、自然体験、社会体験、福祉体験などをとりいれた活動にとりくみました。1日を通して活動にとりくむことで、子どもたちだけでなく私たち教職員にとっても『体験』がきわめて重要であり、体験活動によって、「人と人とのつながり」「モノをつくることの大切さ」「協力・協働の重要性」などを実感することができました。

このサマーセミナーをきっかけとして、同じ想いをもった仲間が県内にはたくさんいることを実感し、その仲間たちと活動をともにすることで、つながりを感じたのではないでしょうか。青年部サマーセミナーに参加していただいたみなさんは、「人や自然とのであいやふれあいの素晴らしさ」、「体験を通して自ら学び考える喜び」、「働く仲間と語りあいつながりあう必要性」を職場・地域組合の仲間へとつなげてくれると思います。サマーセミナーへのご参加ありがとうございました。

第47回学校事務研究集会を開催しました!

2019.07.30

7月29~30日に、第47回兵庫県学校事務研究集会を開催しました!

日教組事務職員部長の薄田綾子さんからは、中央情勢報告をしていただきました。参加者からは、「学校事務職員の仕事内容は多岐にわたっている。働き方改革を強力に推進してほしいが、私たち自身も変わっていかないといけない」「36協定や定年延長など、私たち学校事務職員をとりまく課題がたくさんあるなかで、改めて団結してとりくみをすすめることの大切さを実感した」などといった感想が寄せられました。

パネルディスカッションでは、「学校事務職員の標準職務通知、研修制度~過去・現在・未来へ~」をテーマに討議がおこなわれました。兵庫県学校厚生会専務理事の井上淳一さんからは、「教員と同じように、学校の中で誇りをもって仕事をしている自分たちが、標準的な職務を明確にし、存在価値を認識してもらい、働きがい・やりがいのあるものにしていく。その結果、学校事務職員の地位の確立・向上をはかっていこうという多くの方々の熱い想いがあったからこそ『学校事務職員の標準的な職務通知』が出されるに至った」と当時の様子や思いを語っていただきました。

分科会では、「学校事務職員の仕事を考える」「学校事務労働のあり方・研修について」「組織強化と事務職員制度の確立をめざして」の各テーマにもとづくリポートをもとに、熱い討議が繰り広げられました。

女性部サマーワークショップを開催しました!

2019.07.25

7月25日、ラッセホールで、「性にとらわれず自分らしく生きよう~笑顔で両立するために~」をテーマに、2019女性部サマーワークショップが開催され、150人が参加しました。

講座Ⅰでは、勝木洋子さん(神戸親和女子大学教授)を講師に招き、「なぜ『性別で分けない名簿』についてとりくむのか」と題した講演を受けました。合理的な理由なく男女別に分けることについては、「性差別である」と問題提起し、全国でとりくみをすすめてきました。日教組がおこなった2016年の実態調査では、「性別で分けない出席簿の全校実施」は81.9%、「性別で分けない児童生徒名簿実施」についても81.9%と前回よりも若干すすんだものの、実施できない理由として「共通理解の不足」「一方的な決定」の他に「男女別の方が指導しやすい」「問題意識がない」などがあげられています。

すでに実施されている学校も含め、学校の中には、名簿をはじめ靴箱など、男女であらかじめ分けられている多くの実態が、隠れたカリキュラムとして無意識に性別役割分担意識を刷り込むことにつながっています。また性が二つしかないと考えること、思春期を「誰でも異性を気にし始める時期」ととらえることなどが、性的マイノリティーの子どもたちを苦しめています。「性別で分けない名簿等のとりくみ」をすすめる中で、学校がすべての子どもにとって居心地のいい場所になっているかを見直し、変えていくことが必要と述べました。

講座Ⅱでは、兵庫教育文化研究所・ジェンダー平等教育部会から、「教科の中の隠れたカリキュラム」をテーマに、授業実践の提案などを受けました。固定的性別役割分担意識について、さまざまな学校現場での事例を寸劇にした問題提起を受け、参加者同士が意見交流した後、課題についての解説がありました。参加者にとって身近な事例だったため、わかりやすく、気づきも多く、教職員の人権意識の大切さを考える機会となりました。

分科会では、第1分科会は、山崎達雄さん(社会保険労務士)から「未来のあなたのために~今から考える教職員のライフプランニング~」、第2分科会は、段林智子さん(くるみ助産院医院長)から「妊娠中の女性の体の変化と管理方法について」、第3分科会は、森谷尚史さん(芦屋)と花折了介さん(姫路)から「男性の育休取得の促進について」と題した講座がありました。各分科会では、熱い討議が繰り広げられました。

『こどもの詩と絵 第39集』表彰式・発刊集会の開催

2019.05.24

『ひょうご2018 こどもの詩と絵 第39集』の表彰式・発刊集会を、2019年3月3日(日)に開催し、県内各地より約 800人の子どもたちや保護者の方に来ていただきました。

みんなで身体を動かしながら「幸せなら手をたたこう」を歌ったり、「幸せなら手をたたこう」を歌いながら、「It's A Small World」を重ねて歌ったりと、楽しい企画のミニコンサートをおこないました。その後、「詩」と「絵」それぞれ学年の代表者として表彰状を受け取る子どもたち、「詩」の朗読をする子どもたち、「絵」の紹介をする子どもたちが舞台に上がり、晴れ晴れとした顔を見せてくれました。

今年度は、県内各地の教職員の協力により「詩」695点、「絵」1,785点の作品が集まりました。それぞれ8人の選者の方々に、「絵」と「詩」の選考をお願いしました。多くの作品の中から、「詩」118点と「絵」202点が選ばれ、第39集に掲載されています。子どもたち自身がそれぞれの生活を見つめた作品、自然の美しさに感動して表現した作品、おとなが気づかないような発想の作品、心の葛藤を表現した作品等があり、その作品一つひとつに子どもたちの感性があふれています。

兵庫県教職員組合は、多くの教職員からの「協賛金」に支えられ、「就学援助事業」、「東日本大震災・熊本地震に伴う被災地からの転入児童・生徒への就学支援」等の教育文化・社会貢献事業をおこなっています。その一つとして、『ひょうご こどもの詩と絵』の表彰式・発刊集会はおこなわれています。1979年国連の国際児童年を機に創刊され、今回は通巻第39集になりました。

作品が掲載されている子どもたちには、『こどもの詩と絵 第39集』を贈呈しています。子どもたちの感性を大切にしたこのとりくみを、今後も続けていきたいと考えています。

ひょうご教育フェスティバル(第68次兵庫県教育研究集会)を開催しました

2018.11.26

11月10日(土)~11日(日)の2日間、三木市において「ひょうご教育フェスティバル(第68次兵庫県教育研究集会)」を開催し、延べ約4,700人(うち、保護者・地域の方・子ども等は約1,000人)の参加を得ました。本集会は、「開かれた教研」として14年目となります。 

全体会は、三木市立三木東中学校吹奏楽部による美しい演奏とともに始まりました。今年度は、全体会に引き続き「特別の教科 道徳 どのようにとりくむか」と題して記念シンポジウムを開催しました。「特別の教科」となった道徳に対して学校現場の教職員が感じている不安や課題を共有し、学校現場、管理職、行政、保護者の立場から意見を交流することで、私たちがめざしていく方向性を見出すことができ、充実した学びの時間となりました。

分科会は、第1分野「子どもを中心にすえた 楽しい学校づくり」、第2分野「地域と手をたずさえて 子ども・保護者の願う教育改革」と特別分科会「生きる力を育む教育」の24分科会で構成し、分会から地域教研へと積み上げてきた教研活動の実践を交流しました。今次教研には、保護者・地域の方のリポート53本を含め、総計381本のリポートが提出されました。 

子ども体験・ステージ発表は、両日の昼休みの時間に開催しました。東播地区の子どもたちを中心に、「のこぎりで音楽」「ユニバーサルダンスショー」「バトン演技」「ダンス」が発表されました。展示・体験コーナーでは、地域の方々の協力を得て、「金物展示」「パソコン教室」「おりがみ・工作教室」「マジック体験」「そろばん製作実演」「勾玉・ペーパーウエイト作り」「かさい熱気球写真展」など特色あるコーナーを多数開設しました。また、「多文化共生センター展」「親子料理教室」「スタンプラリー」「子どもと親の劇場」も開催し、多くの子ども・保護者の参加がありました。子どもたちの笑顔があふれる、「地域に開かれた教研集会」を実現できたのではないかと思います。 

私たちは今後も、創造的な教育研究活動の定着・発展と、保護者・県民の信頼に応える教育力量の向上をめざして、「いきる つながる みちひらく ~自立と連帯・共生の学びと教育~」をメインテーマに教育研究活動をすすめていきます。 
地元三木市の関係者の方々、後援団体のみなさんをはじめ、多くの方々にご協力をいただいたことに心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

第41回平和教育実践交流集会を開催しました!

2018.09.18

第41回平和教育実践交流集会をたつの市で開催し、86人が参加しました。

開会行事に引き続き、平和教育部会研究所員を中心に昨年11月に発刊した「『平和教育実践ガイド』を活用した平和学習のとりくみ」について実践の提案がありました。実践ガイドでは、戦争体験を風化させないために、子どもたちを過去の戦争へとつなぎ、戦争に対する当事者意識を育てる授業展開例が数多く掲載されています。また部会では、知識や価値観を一方的に教え込むのではなく、子どもたちが自ら考え判断したり、感じていることを自由に討論したり表現したりできる学習が大切であることを提起しています。研究所員からは、子どもたちが分かりやすいように絵本や写真などを教材とした授業実践の紹介がありました。

参加者からは、「研究所員の方々の実践提案を聞いて、平和教育の新たな切り口を知ることができて大変勉強になった。早速、実践しようと思う」といった感想が寄せられました。

午後は、揖龍の小・中学校・青年部のとりくみとして、「地域と連携した平和教育」「校外学習や修学旅行での平和教育」「平和教育の推進にむけて」の実践報告がありました。その後、報告を受け、12のグループに分かれて各地域組合や分会のとりくみの交流をおこないました。地域によって修学旅行の行き先や平和教育部会の有無などにちがいがあるなど、課題があるなかでそれぞれのとりくみが交流され、平和教育をどのように広げていくのか熱心に討議されました。

参加者からは、「グループ討議から、物事を一面的に見るのではなく、多面的に見る考え方をいつももっておく必要がある」「平和の最大の敵は『無関心』、戦争の最大の味方も『無関心』という言葉が大変印象的であった」「職場で語り合い、若い教職員とともに学びを深めていきたい」といった感想が寄せられました。

今回の集会をひとつの契機として、「戦争をなくせば平和」という平和観にとどまらず、地球規模の問題ととらえて平和・人権・環境・共生にむけた教育を地域や保護者と手をたずさえてすすめていく必要があります。またその実現のために、「子どもたちにとってゆたかな学びとは何か」を追究していかなければなりません。

今後、県内各地域組合・分会で、『平和教育実践ガイド』を活用し、それぞれの地域・子どもの実態に応じて、戦争体験の継承、地域素材の掘り起こしとその教材化を推進し、兵庫における平和教育をいっそう深化・発展させていきましょう。

第45回教育課程編成講座を開催しました!

2018.09.03

「わかる授業・たのしい学校」の実現をめざした、教育課程の編成と創造的な教育研究活動を組織的にすすめるために、第45回教育課程編成講座を開催し、2日間で676人の参加がありました。

前期の講演会では、加賀田哲也さん(外国語教育部会協力研究所員)が「次期学習指導要領での小・中の外国語教育の充実に向けて」と題して講演をおこないました。 加賀田さんからは、授業で心がけていきたいことを中心に、外国語教育を通じて、豊かな人権文化を育み、民主的で平和な多言語・多文化社会を構築するために今後どのようなとりくみをすすめていくべきか、わかりやすくお話いただきました。

参加者からは、「外国語教育と人権教育のつながりを再確認した。人権教育はどの教科にも通じることで教員として常に人権感覚を磨いていきたい」「今まで聞いた英語教育関係の講演の中で一番印象的であった。All Englishで授業といった子ども中心ではない話をいつも聞かされていたが、全く違う視点からの話で学ぶことが多かった」などの感想がありました。

後期の講演会では、諏訪清二さん(防災教育部会協力研究所員)と大谷誠さん(震災・学校支援チームEARTH員)が「熊本での活動から今後の兵庫の防災教育を考える」と題して講演をおこないました。諏訪さんと大谷さんからは、兵庫における防災教育の充実と伝承に努めていくうえで、東日本大震災や熊本地震などの支援活動から今後兵庫の防災・減災教育にどのようにとりくんでいけばよいのかなどについて、わかりやすくお話いただきました。

参加者からは、「心のケアと一体となった防災教育の重要性について再確認できた」「避難訓練がマンネリ化しており悩んでいたが、現実をシュミレートした効果的な避難訓練の方法について考えることができた」「兵庫の教職員として忘れかけていた防災教育の大切さを改めて実感することができた」などの感想がありました。

午後からは、前期が教科系の10分科会、後期が課題別の9分科会にわかれて、分科会が開催されました。協力研究所員や研究所員を中心に、全国教研の還流や、授業で役立つワークショップなどの講座、実技などが企画され、参加者は積極的に活動に参加し、熱心な討議や地域組合間交流をおこないました。

今後、「ゆたかな学び」を具現化するための教育課程の創造的編成にとりくむとともに、「子どもを中心にすえた学校づくり」の原点に立ち返り、生きる力をはぐくむ自立と連帯・共生の教育のさらなる深化をめざしてとりくんでいく必要があります。編成講座での学びを生かした実践をすすめ、今秋の第68次兵庫県教育研究集会においてさらに討議を深めていきます。

『ひょうご2017 こどもの詩と絵 第38集』表彰式・発刊集会開催

2018.05.02

『ひょうご2017 こどもの詩と絵 第38集』の表彰式・発刊集会を、2018年3月4日(日)に開催し、県内各地より約 800人の子どもたちや保護者の方に来ていただきました。

ピアノやトランペットの演奏を聴いたり、みんなで歌ったりという、ミニコンサートをおこないました。その後、「詩」と「絵」それぞれ学年の代表者として表彰状を受け取る子どもたち、「詩」の朗読をする子どもたち、「絵」の紹介をする子どもたちが舞台に上がり、晴れ晴れとした顔を見せてくれました。

今年度は、県内各地の教職員の協力により「詩」502点、「絵」1,697点の作品が集まりました。子どもたち自身がそれぞれの生活を見つめた作品、自然の美しさに感動して表現した作品、おとなが気づかないような発想の作品、心の葛藤を表現した作品等があり、その作品一つひとつに子どもたちの感性があふれています。それぞれ8人の選者の方々に、「絵」と「詩」の選考をお願いしました。多くの作品の中から、「詩」114点と「絵」200点が選ばれ、第38集に掲載されています。

兵庫県教職員組合は、多くの教職員からの「協賛金」に支えられ、「就学援助事業」、「東日本大震災・熊本地震に伴う被災地からの転入児童・生徒への就学支援」等の教育文化・社会貢献事業をおこなっています。その一つとして、『ひょうご こどもの詩と絵』の表彰式・発刊集会はおこなわれています。1979年の国際児童年を機に創刊され、今回は通巻第38集になりました。

作品が掲載されている子どもたちには、『こどもの詩と絵 第38集』を贈呈しています。子どもたちの感性を大切にしたこのとりくみを、今後も続けていきたいと考えています。

ひょうご教育フェスティバル(第67次兵庫県教育研究集会)開催

2017.11.20

11月11日(土)~12日(日)の2日間、西宮市において「ひょうご教育フェスティバル(第67次兵庫県教育研究集会)」を開催し、延べ約5,000人(うち、保護者・地域の方・子ども等は約1,100人)の参加を得ました。本集会は、「開かれた教研」として13年目となります。 

全体会は、西宮市立浜脇中学校音楽部による美しい演奏・歌声とともに始まりました。記念講演は、本田由紀さん(東京大学大学院教授)をお招きし、「日本の教育の課題-選別と教化の圧力に抗して-」と題してお話いただきました。子どもたちをとりまく社会の変容と教育が抱える課題、それに対して学校・教職員がどのようにとりくんでいけばよいのか提起がありました。 

分科会は、第1分野「子どもを中心にすえた 楽しい学校づくり」、第2分野「地域と手をたずさえて 子ども・保護者の願う教育改革」と特別分科会「生きる力を育む教育」の24分科会で構成し、分会から地域教研へと積み上げてきた教研活動の実践を交流しました。今次教研には、保護者・地域の方のリポート48本を含め、総計387本のリポートが提出されました。 

子ども体験・ステージ発表は、両日の昼休みの時間に開催しました。阪神地区の子どもたちにより、「楽しいなわとびデモ」「民族舞踊」「和太鼓演奏」が発表されました。展示・体験コーナーでは、地域の方々の協力を得て、「シェルストラップづくり」「自然工作・自然遊び」「世界の遊び」「人と自然の博物館展」など特色あるコーナーを多数開設しました。また、「親子料理教室」「スタンプラリー」も実施し、多くの子ども・保護者の参加がありました。子どもの笑い声が響く、「地域に開かれた教研集会」を実現できたのではないかと思います。

私たちは今後も、創造的な教育研究活動の定着・発展と、保護者・県民の信頼に応える教育力量の向上をめざして、「いきる つながる みちひらく ~自立と連帯・共生の学びと教育~」をメインテーマに教育研究活動をすすめていきます。 
地元西宮市の関係者の方々、後援団体のみなさんをはじめ、多くの方々にご協力をいただいたことに心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

2017女性部サマーワークショップ【全大会】

2017.08.31

7月27日、「性にとらわれず自分らしく生きる~あたりまえって何だろう~」をテーマに女性部サマーワークショップをラッセホールで開催し、146人の参加がありました。

【講座Ⅰ】
弁護士の仲岡しゅんさんを講師に招き、「セクシュアル・マイノリティと人権~差別の所在と実体験から~」と題した講演をおこないました。教職員として「セクシュアル・マイノリティ」について知ることの大切さを学ぶとともに、保護者として、一人の人間として今後どのように生きていくのかをしっかりと考える機会となりました。

○参加者のアンケートより

  • LGBTとセクシュアル・マイノリティの違いなど、曖昧になっていた点をしっかりと教えていただいた。
  • 他人事ではなく、身内や自分の事として考えていくことが大切だと思った。
  • 自分の中に差別する心があることを認識し、きちんとむきあい考えてみようと思った。
  • 多様な性があることを教職員が学び、子どもたちにむきあいたいと思った。

【講座Ⅱ】
兵庫教育文化研究所・ジェンダー平等教育部会から、「性の多様性を尊重する学校づくり」をテーマに授業実践の提案などをおこないました。セクシュアル・マイノリティについて、さまざまなデータなどをもとにした学校現場での事例を寸劇にした問題提起を受け、参加者同士が意見交流した後、課題についての解説がありました。小学校・中学校での授業実践の紹介もあり、教職員の人権意識の大切さについて考える機会になりました。

○参加者のアンケートより

  • 教員の何気ない一言で子どもの心が傷つけられていることが心に残り研修の大切さを痛感した。
  • 話し合いの場があり、他の方の意見が聞けて勉強になった。
  • 制服やトイレなど具体的に学校として出来ることを考えられた。

2017女性部サマーワークショップ【分科会】

2017.08.31

【講座Ⅲ】
「働き方改革」をとして3つの分科会をおこないました。
それぞれ参加者同士が交流しながら、ワーク・ライフ・バランスや職場での人間関係を見直し、自分自身の生き方を振り返る新鮮な気づきのある時間になりました。参加者の働き方改革へつながるワークになりました。

第1分科会では澤田真由美さん(ひょうご仕事と生活センターの外部相談員)を迎え、「本来の仕事に時間を使うために~教職員のためのワーク・ライフ・バランス~」をテーマにワークショップをおこないました。

○参加者のアンケートより

  • 自分の仕事のやり方が全く違ってくるように思った
  • 働き方を精選し、個々のレベルアップをしていきたい
  • 私自身の意識を変えていかなければと強く感じた

第2分科会では金香百合さん(兵庫県立男女共同参画センター登録講師)を迎え、「自分らしく生きるために~固定概念にとらわれず人生をデザインしよう~」をテーマにワークショップをおこないました。

○参加者のアンケートより

  • 自分の生き方を見直し、エネルギーをもらった
  • 自尊感情・エンパワーなど人生において大切なことを収穫できた
  • 職場で活かそうと思った

第3分科会では掛水須美枝さん(前兵庫県会議員)を講師に迎え、「自分らしく働き続けるために~運動と権利~」をテーマにワークショップをおこないました。

○参加者のアンケートより

  • 周りを孤立させないで協力していくことを学ばせてもらった
  • 一生懸命やろうという気持ちになり、パワーをいただいた
  • 権利を勝ち取ってこられたこと、継続することの大切さ、改めて感じました。次への力になりました

全体を通して、「充実した内容でとてもよかった」「女性だけでなく、すべての教職員に必要なとりくみだと思った」という感想がありました。ジェンダー平等社会をつくっていくためには、多様性を認め合うこと、働き方を見直すこととともに、意思決定の場に女性が参画していくことが不可欠です。誰もが働きやすい職場づくりのため、今後もとりくんでいきます。

2017ヒロシマ・フィールドワーク 開催

2017.08.28

8月、特別事業として「ヒロシマ・フィールドワーク」を実施し、県内各地より41人の参加を得て、広島を訪れました。この事業は、平和憲法が脅かされ、近隣諸国との政治的緊張が高まっている今こそ、平和教育のさらなる深化と充実をはかっていこうと企画されたものです。

訪問内容は平和教育部会研究所員が議論・検討し、被害と加害の地を訪問して平和教育を多面的にとらえる機会とすること、高齢化がすすむ被爆者・戦争体験者の証言を実際に聴く貴重な機会とすること等を主な目的として実施しました。

1日目は、主に大久野島のフィールドワーク(以下、FW)をおこないました。訪問前のバス車内から、研究所員が用意した資料やビデオでの解説があり、戦時中に毒ガスを製造していたことを初めて知る参加者にとってよい事前学習となりました。また、FWの前に、戦時中に学徒動員により大久野島で働いていた岡田黎子さんから、当時の様子についてお話していただいたことも、その後の学びをより深いものとする貴重な経験でした。

大久野島では、平和教育部会協力研究所員の山内静代さん(広島平和教育研究所)らから詳細な解説を受けながら、島内の各遺跡を見学しました。原爆を投下された被害の地としてだけでなく、加害の地でもあったことを実感することができました。

2日目は、広島市内のFWをおこないました。修学旅行でよく訪れるのは平和記念公園ですが、その周辺にある被爆跡を中心に、山内さん、濱野梢さん(広島平和教育研究所)の解説を聞きながら訪問しました。また、原爆養護ホーム・舟入むつみ園では、被爆体験者のみなさんから当時の様子について証言をうかがい、貴重な経験の継承者として改めて責任を強く感じました。

参加者からは、「単に過去の話、広島の話と他人事で終わらせず、今の自分と結びつけて戦争や平和について子どもたちが考えることができるようにしないといけないと強く感じた」「戦争があれば人々は大きな被害を受ける。しかし、何も知らずに行動すれば加害者にもなり得る。このことを忘れずに伝えたい」「聞かせていただいたお話は、平和学習や日々の授業の中で子どもたちにも伝えたいと思いましたし、教員どうしの語りの中でも伝えていきたいと思いました」などの感想がありました。

過密な日程でしたが、その分学ぶところが多かったと参加者が話されていました。今回の経験を、県内各地域組合でより多くの方に語り継ぎ、平和教育の深化と充実につなげていきましょうと確認して、全日程を終えました。

第40回兵教組平和教育実践交流集会

2017.08.24

各学校においておこなわれている平和教育の実践に学び、とりくみを継承し、発展させていくために、第40回平和教育実践交流集会が明石市で開催され、66人が参加しました。

開会行事に引き続き、「1.19明石大空襲を語り継ぐ」と題してあかし教育研究所の運営委員から講話をお聞きし、その後、明石の小・中学校のとりくみとして「平和学習でめざすもの」「平和の願いを歌声にのせて」の実践報告がありました。

 参加者からは、「戦時中のことを語ることができる人が少なくなってきているなかで、私たち今を生きる人間が、正しい歴史認識のもとに真実の戦争史を次世代に語り継いでいくことが大切だと感じた」「演劇を通して全校生に自分たちの思いを伝えようという発想に感心させられた」という感想が寄せられました。

 午後は、平和教育部会の研究所員から「明石空襲と学徒勤労動員の記憶を追体験する」「地域に残る戦跡等から戦争を考える」というテーマで実践の提案がありました。その後、8つのグループに分かれて各地域のとりくみの交流をおこないました。地域によって修学旅行の行き先や、平和教育の部会の有無にちがいがあるなど課題があるなかで、それぞれのとりくみが交流され、平和教育をどのように広げていくのか熱心に討議されました。

 集会終了後は、明石公園内にある「明石空襲の碑」を訪れ、現存する資料や当時の証言をもとに、これまでのとりくみを語り継ぎ未来へつないでいこうとする明石の平和教育の思いを共有しました。

 参加者からは、「ヒロシマも大切だが、もっと自分たちの住む地域のことを学ぶ必要を感じた」「子どもたちにとって心にひびき、おとなになっても心の中に残っている平和教育学習をどう計画していくかが大きな課題だと感じた。先輩の教職員から学び、多面的に学習していきたい」「こうして夏の1日を平和について考える日とすることは日本人としてとても大切なことではないか」と感想が寄せられました。

 今回の集会をひとつの契機として、「戦争をなくせば平和」という平和観にとどまらず、地球規模の問題ととらえて平和・人権・環境・共生にむけた教育をすすめる必要があります。またその実現のために「ゆたかな学び」を追求していかなければなりません。

 平和教育部会では、知識や価値観を一方的に教え込むのではなく、子どもたちが自ら考え判断したり、感じていることを教室で自由に討論したり表現したりできる学習が大切であることを提起しています。また、今日的課題から教職員が必要だと考えている内容をいかに扱うのか、その方法を工夫し、実践し広げていく必要があると考え、『平和教育実践ガイド』を11月に発刊する準備をすすめています。

 県内各地域組合・分会で、それぞれの地域・子どもの実態に応じて、戦争体験の継承、地域素材の掘り起こしとその教材化を推進し、兵庫における平和教育をいっそう深化・発展させていきましょう。

第44回教育課程編成講座

2017.08.24

「わかる授業・たのしい学校」の実現をめざした、教育課程の編成と創造的な教育研究活動を組織的にすすめるために、第44回教育課程編成講座が開催されました。台風接近による悪天候により、残念ながら予定されていた前期講座(課題別)が中止となりましたが、後期講座(教科系)に329人が参加しました。

後期の講演会では、畑中 通夫さん(施設で生活する子どもたち支援研究会 共同研究者)が「『施設で生活する子どもたち支援研究会』10年のあゆみと今後の課題」と題して講演をおこないました。畑中さんからは、支援研究会10年のとりくみであきらかになった学校の課題をまとめていただくと同時に、児童養護施設の小規模化・地域分散化といった現在の施策などの状況や、関係機関と連携しながらすすめていく手だてなど、「家族を頼れない子どもたち」への支援のために、今後どのようなとりくみをすすめていくべきか、わかりやすくお話いただきました。

参加者からは、「地域や学校が連携して、自立した子どもを育てていけるようにいろいろな方面への働きかけが必要だと感じた」「おとなの都合で施設に入らざるを得ない子のほうが多いのに、なかなか地域全体で子どもたちのことを考えられないのは問題だと思う」「結婚式の話を聞き、改めて子どもにとって心の支えとなる場所の存在の大切さを感じた」などの感想がありました。

午後からは、教科系の10分科会にわかれて分科会が開催されました。協力研究所員や研究所員が中心に、全国教研の還流や、授業で役立つワークショップなどの講座、実技などが企画され、参加者は積極的に活動に参加し、熱心な討議や地域間交流をおこないました。

次期学習指導要領が告示され、今後学校現場では移行期の教育課程をどのように編成していくのかについて議論がなされます。私たちは引き続き、「ゆたかな学び」を具現化するための教育課程の創造的編成にとりくむとともに、体験を通して、ゆたかな人間性や社会性をはぐくみ、「生きる力」を身につける等、子どもが主体となる創意工夫をこらした教育実践の推進をはかっていく必要があります。編成講座での学びを生かした実践をすすめ、今秋の第67次兵庫県教育研究集会においてさらに討議を深めます。